ポップズの社会契約論が最も説得力あると思う理由について。(倫理の教科書を読んで)
憲法記念日であることから、憲法について学び直しをしていて、高校時代の倫理および政治経済の教科書を読んで思いついてことを書きます。
ポップズの社会契約論が最も説得力あると思う理由について。
憲法といえば、そのベースとなる社会契約説がある。
教科書では、主に三人の社会契約説が紹介されている。一人はホップズのリヴァイアサン、二人目はロックの統治論、三人目はルソーの社会契約論である。
これらの見解の相違は様々あるが、ここで取り上げるのは「人間の本質」についてでる。ホップズの場合、人間は利己的な生き物であるとする。ロックは、理性的な生き物であるとする。ルソーは、自己愛と同情を持つ生き物であるとする。
これらを前提として場合、ホップズの見解であれば、人間の利己性を最大限に追求した場合、他人同士を傷つけあう無法地帯な状況(自然状態)を作りうるので、それを防止するために人間の自由権の一部を国家に譲渡して、自由権を相互的に調整する国家を作ろうとする考えであると、私は思った。この考えであれば、人間の自由権の一部を国家に譲渡する理由がちゃんと説明できると考える。
しかし、ロックやルソーのような見解を前提とした場合、人間は理性や同情によって、そもそも紛争が起こさないような状況を前提としていると思われる。しかし、ロックやルソーも例外的に人間が紛争を起こした時は、第三者による調整が必要であるから、国家に自由権一部を譲渡する考えを示している。しかし、そもそも人間が紛争が起こさないような状況を前提としているならば、社会契約説の説明としては、やや不十分であると思われる。
よって、私は上記三人の社会契約説について、ホップスの見解がとても説得力のあるものと思った。
以上
<参考文献>
現代の倫理(倫理309)山川出版社 文部科学省検定済教科書 高等学校公民科用【平成29年度版】